リーダーといってもコント赤信号のお話ではありません。
昨日の朝、仕事に向かうバスはいつもいないはずの中学生がいっぱいでした。引率の先生はなく、中学生だけでどこかを訪ねるようです。
道路はいつもよりも渋滞がひどくバスはかなり遅れ気味。
初めてのバスで、約束の時間が迫ってきているらしい中学生たちは「このバス本当にA高校に行くのかな?」「やばい。遅れちゃうよ~」なとど口々に不安をもらしています。
1人掛けの席に座っていた私の前に座っていた男子中学生はどうやらみんなのリーダー的存在のようで「バスは間違っていないはず」「道が混んでいるんだからどうすることもできないよ」などと責任感いっぱいの様子でみなの衆に言うように、でも本当は自分に言い聞かせるようにつぶやいています。私もみんなのその様子がわかるだけに一緒にドキドキしてきてしまって、iPodで音楽を聴いていたのですがそれどころではなくなり、音楽を止めてみんなと一緒に(なった気分で)時計を見たり、外の道路の様子を見たりしていました(影響されやすい)。
みなの衆は相変わらず不安そうな発言を続けています。リーダーは、重たそうなかばんからファイルを出して、ここまでの行程に間違いがなかったか確認をしています(ちなみにかなりキレイにファイリングされてました。さすがリーダー)
少ししてリーダーの不安は頂点に達したようで、くるりと私のほうを振り返って
「このバスA高校に行きますか?」と私に聞いてきました。
「はい。行きますよ」というと、ちょっと安心したように、
「このバスちゃんとA高校に行くってよ。いま確認した。」
と自分の前の席の男子に報告すると
「オマエ、ちゃんとお礼言えよ」
とその男子に諭されてます。自分が不安のあまり夢中になっていたことに気付いて、それで我に戻ったように私に
「ありがとうございました」といってきました。
狭いバスの中で、そのすべてのやり取りが私を含めた3人に聞こえていたのでなんだか可笑しくて3人で笑いました。
まもなくバスはA高校に到着し、中学生たちは校門へ走っていきました。
私は中学生たちの様子を見ていて、あのリーダーはきっとこれからもあらゆるところでリーダーの役割をしていく子なんだろうな。そしてリーダーを支えるよき友の存在もとても大切だね。と静かになったバスの中で考えました。
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