私の父はとても面白い人でした。
いつもふざけてばかりで、どこまで冗談でどこから本気なのかよくわからない人でした。
自分が大人になった今、子供の頃のおぼろげな記憶をたどって、父を1人の人間として理解しようとするのですが、分析するのに十分な材料が揃っていないことに気付いていつもギブアップしてしまいます。
父はまだ幼かった私をお風呂に入れると、私の濡れた長い髪をタオルで巻いてくれたのですが、わざとふざけてホッカムリにして、父はゲラゲラと笑い私の小さな乙女心を傷つけました。
このホッカムリ事件のことを最近よく思い出します。
甘酸っぱい大切な思い出です。
父の手から身をよじって逃げようとしている小さな私。