前世というものは本当に存在するのでしょうか?
Lovelyと一緒にいる時、Lovelyの前世がチムだったらいいなと思うことが時々あります。
チムというのは私が小学生の頃に飼った犬の名前です。
チムと私は兄弟のようにずっと一緒でした。
ところが私が二十歳くらいのころ「人間の勝手な事情」によって飼い続けることができなくなってしまいました。
家族でずいぶん考えましたが、その時はどうすることもできませんでした。
そんな窮地にあった私たちを助けてくれたのは叔母夫婦でした。
叔母たちがチムを飼ってくれることになったのです。
神様のように思えました。
すでにリタイアした伯父と叔母と老犬チムの隠居生活です。
伯父と叔母はチムをとても可愛がってくれました。
叔母の家は、私の住むところからとても遠くあまり頻繁に行くことはできなかったのですが、それでも何度かチムに会いに行きました。行くと必ずチムと散歩をしました。散歩しながら叔母が「散歩中に若い女の子を見かけるとじーっと見てることがあるの。たぶんNorahちゃんのこと思ってるんじゃないかな」と言われて胸がしめつけられるような思いがしました。
しばらくして叔母から連絡があり、チムの状態があまりよくなく、もうダメかもしれないと言われすぐに会いに行きました。
叔母によると最近はお散歩に行く元気もなかったということでしたが、私が行くと元気にお散歩に行きました。具合の悪いチムを見ていた叔母には信じられないことだったようです。
それから間もなくチムは天国へ旅立ちました。
以来私は「チムと最後まで一緒にいてあげられなかった」ということに常に罪の意識を持っています。
Lovelyをプレゼントされた時、絶対に最後まで一緒にいると心に誓いました。
オーストラリアから日本に引っ越すことになり、真っ先に決めたことは「Lovelyも一緒に日本に行く」ということでした。
日本までの行程で事故があるかもしれません。Lovelyだって飛行機の旅なんて嬉しいはずがありません。でも私の中でLovelyを置いていくという選択肢はありませんでした。幸いLovelyは無事日本にやってきて、元気に暮らしています。Lovelyにとってオーストラリアでの生活よりも日本の生活のほうがずっと長くなりました。
Lovelyにはチムの分も思いっきり甘えて欲しいと思います。
私はチムの分も思いっきりLovelyに愛情を注ぎます。
それが今の私にできることだと思うのです。
「眠い・・・」